【2回目の緊急事態宣言解除後】来場型オープンキャンパスの開催ポイントとは
皆様、いつも本コラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回のコラムでは、2回目の緊急事態宣言解除後、大学・短期大学・専門学校の来場型オープンキャンパスの開催ポイントについてご紹介させていただければと思います。
3月に入り、学校経営者の皆様はこのようなお悩みや疑問を抱いておりませんか?
・2回目の緊急事態宣言の解除を伴い、来場型のオープンキャンパスは実施していいのか
・オープンキャンパスを実施する上で、どの程度コロナ対策を実施すればいいのか
・新学期に向けてとても忙しくて、イベントのコロナ対策はどの程度やったらいいのか
・オンラインイベントの用意はまだ必要なのか・・・
本コラムでは上記のお悩みを解消いただけるよう今後のイベント開催のポイントをお伝えいたします。
【コロナの最新情勢と今後の見通し】
2回目の緊急事態宣言は1月7日より発令され、2月末に関西圏の6都道府県は先に解除し、3月18日現在、首都圏1都3県は3月21日に解除見込みと予想されています。また感染者数について、緊急事態宣言の発令により、全国の1日あたりの新規感染者数はピーク数値の7,949人(1月8日)から現在1,000人未満(3月15日時点)までに減少してきました。
2月17日からワクチンの接種が始まり、現時点(3月10日)までに国内のワクチンの接種実績は290,275回です。そして、イスラエルをはじめとするワクチンの接種が進んでいる海外の国々の研究成果により、ワクチンの予防効果が検証されました。したがって、今後の見通しとして、夏までに新規感染者がさらに収束していくことが予想されます。
【オープンキャンパスの開催条件】
3月5日に国から緊急事態宣言の延長に伴う催物の開催制限などについて留意事項等が示されました。それを基づき、2回目の緊急事態宣言解除後のイベント開催条件をご説明いたします。
(出典:内閣府「基本的対処方針に基づく催物の開催制限、施設の使用制限等に係る留意事項等について」)
今後、オープンキャンパス・入学式といったイベントの開催は3つの要素を考えておく必要があります。それぞれは「収容率」・「人数上限」・「距離」ということです。
以下に緊急事態宣言解除地域におけるイベント実施の基本的な留意事項をまとめます。
・「収容率」:大声での歓声、声援などがない場合100%以内、大声での歓声、声援が想定される場合50%以内に抑える
・「人数制限」:5000人または収容定員の50%以内のいずれか大きい方を上限とする
・「距離」:十分な人と人との間隔(1m)を保つこと
オープンキャンパスの場合も同様に、上記の「収容率」・「人数上限」・「距離」を考慮の上、開催していただければ問題ないと考えて頂ければと思います。
【オープンキャンパス開催のポイント】
しかし、開催が問題ない一方で、どこまでの感染対策を実施すればいいかという点にお悩みの方も多いのではでしょうか。感染対策については、より徹底した対策を取ることが重要なことは間違いありませんが、一方でコロナ対策の徹底だけに注力し、職員や参加者への負担が大きく増加し、最終的に募集状況や学校運営に大きな悪影響が出ることは避けるべきです。
そのため、教職員に負担をかけないかつ参加者に満足させるコロナ感染防止対策の工夫は必要となります。それを踏まえ、筆者は2回目緊急事態宣言解除後のオープンキャンパス開催の2つの重要なポイントをお伝え致します。
①イベント開催条件をもとに適度なコロナ対策を講じること
基本な対策の徹底など最低限の対策を講じながらオープンキャンパスを開催することが基本路線ですので、大学・短期大学、専門学校を分けてそれぞれのオープンキャンパスの開催ポイントをお伝えいたします。
【大学・短期大学】
・大規模の来場が想定されるため、人数上限を超えないように、事前予約制度の導入をお勧めいたします。事前予約制度に抵抗がある場合であっても、下記のような対策を講じていただき、最低限の感染拡大対策を推奨いたします。
・密にならないように、学校説明会・ガイダンス、見学ツアー・模擬授業など大人数参加と想定されるイベント・活動は複数の会場かつ複数の時間帯で実施することをお勧めいたします。
・飲食をはじめとするマスクを外した会話が生じる活動は実施しないことです。食事は長時間マスクを外すことが想定させ、飛沫感染のリスクが高まるため、オープンキャンパス等では飲食を伴う内容は極力実施しないことをお勧めします。
【専門学校】
・相談会や体験授業の際には、適度な距離を空け、手指の消毒・マスクの着用など対策を徹底することをお勧めいたします。
・飲食活動は原則的にお勧めいたしませんが、調理・製菓学科などの飲食がメインコンテンツとなる場合は、対面着席禁止、一定距離をあけることを条件として実施することは可能です。
②来場型オープンキャンパスとオンラインオープンキャンパスの併用
1~3月はコロナウイルス感染拡大および緊急事態宣言の発令により、オンラインオープンキャンパスが主流となりましたが、4月から、2回目の緊急事態宣言の解除および感染状況の収束により、来場型オープンキャンパスの開催回数が増加する傾向が見られます。弊社としては、7・8月など感染者数が落ち着いてきた場合であっても、来場型オープンキャンパスとオンラインオープンキャンパスを併用して実施することをお勧めいたします。
オンラインオープンキャンパスが必要となる理由として、来場型オープンキャンパスの開催は基本問題がございませんが、世論の警戒心がまだ完全に収まらない現状であるということです。特に、感染リスクがまだ高い水準にある地域の学校に対して、危機意識を持ち、オンライン参加を希望する遠方の学生や保護者は少なくないため、4月~6月は一部のイベントを依然としてオンラインで実施していただくだけでなく、出張ガイダンスのような形で学校側から対面イベントを用意するような対策も必要になってきます。
また、これからのオンラインオープンキャンパスは以前と同じように来場型オープンキャンパスの「移行」ではなく、オンラインしか実施できない特別なイベントを企画し、来場型オープンキャンパスとの「差別化」が期待されています。例えば、東京都内にある私立大学は、遠方や海外にいる学生に向けて、各キャンパスの雰囲気を体験させるため「VRキャンパスツアー」を公開した事例があります。またVRだけではなく、学生ナレーターの解説と各施設のフォトギャラリーも用意していますので、オープンキャンパスの目的のみならず、コロナ後の学生募集への活用も想定できます。
まとめますと、2回目緊急事態宣言解除後のオープンキャンパス開催は来場型とオンライン型を併用して実施することをお勧めいたします。また、昨年のコロナ対策としての急ごしらえのオンラインオープンキャンパスをワンランクアップさせることが重要であり、単にコロナ対策というだけでなく、中長期的な学生募集にも役立つようなコンテンツを充実していただければと思います。
最後、定期的に大学・短期大学・専門学校の高等教育機関の関係者の方々に有益となる情報を発信させていただいておりますので、ぜひ本コラムの定期購読をお申込みくださいませ。
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