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大学等の統合および学校法人のM&Aの近年の流れについて

2021.07.09

皆様、いつも本コラムをご覧いただきありがとうございます。
今回のコラムでは、「大学等の統合および学校法人のM&Aの近年の流れについて」
と題しまして、
(1)大学等の統合や学校法人のM&Aが加速している背景
(2)統合やM&Aにおける前提の考え方
(3)パターン別の統合・M&A事例
について解説させていただきます。

(1)大学等の統合や学校法人のM&Aが加速している背景

統合やM&Aが加速している背景については、
①学校法人を取り巻く環境について
②文部科学省が示す方向性について
という2点よりお話させていただきます。

まず、学校法人を取り巻く環境を説明する上で、
1番の課題となっているのは「18歳人口の減少」ではないでしょうか。
文部科学省の推計によると、2035年の18歳人口は98万人となり、
進学率が同程度だと仮定した際の高等教育機関への進学者数は2020年と比較して15.6万人の減少が見込まれております。割合にして約20%の減少幅です。

上図にある、大学・短期大学・専門学校において大学は比較的マーケット環境は良好ではあるものの、定員未充足校も一定数存在しており、今後さらに学生確保が困難になることが予想されます。

また、そのほかにも教育資源や教員採用などにおいても課題を抱えている大学等の学校法人も多く、学生募集改善のために大きな打ち手を自らの力のみで実行するのが難しいというお声もよく伺います。

次に、文部科学省が示す方向性についてですが、
文部科学省の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)(平成30年)」より、
該当部分を引用すると下記の通りであり、
その具体的な方策として
1.国立大学の一法人複数大学制の導入
2.私立大学の連携・統合の円滑化に向けた方策
3.国公私立の枠組みを越えた連携の仕組み
が挙げられております。

===

今後、高等教育機関の中に「多様な価値観が集まるキャンパス」を実現していくためには、
大学内や大学を越えて人材や資源を結集する必要があり、
それを支えるガバナンスが重要である。(略)
さらに、これらの各大学におけるマネジメント機能や経営力を強化する取組に加え、
複数の大学等の人的・物的リソースを効果的に共有すると同時に教育研究機能の強化を図るため、
一法人一大学となっている国立大学の在り方の見直し、
私立大学における学部単位等での事業譲渡の円滑化、
国公私立の枠組みを越えて大学等の連携や機能分担を促進する制度の創設など、
定員割れや赤字経営の大学の安易な救済とならないよう配意しつつ、
大学等の連携・統合を円滑に進めることができる仕組みや、
これらの取組を促進するための情報の分析・提供などの支援体制の構築など実効性を高める方策について検討することが必要である。
なお、今後は、学校法人に対して、経営改善に向けた指導の強化や経営困難な場合に撤退を含む早期の適切な経営判断を促す指導を実施する。
また、破たん処理手続の適正化による学生保護の充実を図る。
学外の教員や実務家など多様な人的資源を活用し、
多様な年齢層の多様なニーズを持つ学生を受け入れていくためには、
高等教育機関は、他の機関や、関係する産業界、地方公共団体などと連携し、
必要とされる教育研究分野、求人の状況、教員や学生の相互交流などについて、
恒常的に意思疎通を図るような体制として「地域連携プラットフォーム(仮称)」を構築することが必要である。

===

(2)統合やM&Aにおける前提の考え方

統合やM&Aについての考え方についてですが、
上記のグランドデザインの中においても
「定員割れや赤字経営の大学の安易な救済とならないよう配意しつつ」
と記載があるように、
基本的な考え方としては複数大学の教育資源の融合により、
教育研究機能の強化を第一に考える必要があります。

これは、実際の統合後の大学における学生募集の観点からも重要であり、
統合によるシナジーや教育的な訴求力が高まることがなければ、
本質的な解決にはなりません。

(A大学) 定員充足率80% 学生数800名/収容定員1000名
(B大学) 定員充足率70% 学生数700名/収容定員1000名
の統合によって目指すべきは、
両大学の統合によって教育研究機能が強化され、
受験生に対しての教育的訴求力が高まった結果としての
(C大学) 定員充足率100% 学生数2000名/収容定員2000名
ですので、この点については前提として留意いただきたいと思います。

(3)パターン別の統合・M&A事例

①国公立大学による統合

・東海国立大学機構:2020年4月設置
名古屋大学、岐阜大学の2大学による統合

・国立大学法人北海道国立大学機構(予定):2022年4月設置
小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の3大学による統合 など

②高大連携を目的とした学校法人の合併

統合やM&Aの目的の1つに、
大学を保有する学校法人が高等学校を保有する学校法人を合併吸収することによって、
高大接続による一貫した人材養成をするだけでなく、附属高校において一定数の推薦枠を設けることによって入学者を確保するというものがあります。
国公立大学の再編と比較すると大きな潮流というわけではございませんが、一例を紹介させていただきます。

・学校法人武蔵野大学・学校法人千代田女学園の合併:2016年
合併と同時にインターナショナルスクールを設置し、小学校から大学までの一貫した教育体制を整備

出典
文部科学省「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」
(https://www.mext.go.jp/content/20200312-mxt_koutou01-100006282_1.pdf)

 

【執筆者:小川 慎太郎】

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