学習と教育について考える
こんにちは。学校経営コンサルタントの伊東威です。
さて、本日は「学習と教育」についてお話ししたいと思います。
私は、「『教育』が人を育てる」のではなく「『学習』によって人は自ら育つ」と考えています。
赤ちゃんが泣くのは「お腹が空いた」「排便をした」「淋しいから構って」という意思表示ですが、これはお母さんから「意思表示したい時は泣きなさい」と教育されたわけではなく、「泣く」という行為で意思表示できることを赤ちゃん自ら「体得=学習」していることからもそう思うのです。
したがって、私は「教育は学習の介添え」と考えています。ですから、「〇〇させる」という使役動詞をお客様との関係ではもちろん、職場の仲間同士でもなるべく使わないように心がけています。
みなさんは、1985年にパリで開催の「第4回ユネスコ国際成人教育会議」で発表された「ユネスコ学習権宣言」をご存知でしょうか?そこには、「学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読み取り、歴史をつづる権利であり、あらゆる教育の手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発達させる権利である」と記されています。「あらゆる教育の手だてを得る権利が学習権」ということならば、「教育は学習の介添え(手だて)」という私の考えもあながち間違いではないのでしょう。
ご存知のとおり「義務教育」という言葉はありますが、「義務学習」という言葉はありません。「学習」とは「自らが自主的・自発的・能動的に獲得するもの」なのだと思います。このユネスコ学習権宣言に込められた「学習は権利である」という理念を、今後のコンサルティングのなかで、お客様とともに具現化していくことが、私の夢であり目標です。