【通信制高校様向け】高等学校通信教育の現状について

2021.04.02

皆様、いつも本コラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回のコラムでは、通信制高校業界の現状を、文部科学省が公開している「高等学校通信教育の現状について」を基に、お伝えさせていただきます。

現在、通信制高校の学校数、通信制高校に在籍する生徒数が共に増加しています。
通信制高校業界で勤務されている皆様は、近年のこの変化にお気づきの方も多いのではないでしょうか。以前から通信制高校の学校数、通信制高校に在籍する生徒数は増加していましたが、ここ数年間で新たに業界が大きく動きつつあります。

まずは、以下のグラフをご覧ください。

出典:文部科学省 「参考資料2 高等学校通信教育の現状について」

このグラフのポイントは大きく2つあります。まず1つ目のポイントは、平成7年以降、生徒数が急増していることに比例して、通信制高校の学校数も平成12年から平成17年にかけて急激に増加しているということです。2つ目のポイントは、平成27年から令和2年にかけて生徒数がさらに急増している点です。グラフの通り、平成7年から平成27年までの生徒数の増加ペースよりも、さらに増加ペースが上がっていることが見て取れます。数にすると、平成7年から27年まで5年ごとに、約1万人から2万人の増加数だったのが、平成27年から令和2年の5年間は約3万7千人に増加しています。この変化は明らかに、通信制高校の業界の新たな動きを象徴しており、今後数年間で大きく業界が変化することが予想されます。

このような変化が起きている理由を考察すると、社会の変化と各通信制高校の動きが影響していることが一つの要因として考えられます。多様性が求められる社会が到来し、個々の学びの在り方も多様化してきました。それに伴って、各通信制高校における学びの在り方も、生徒一人一人の個性を尊重した学びや、個々の興味、関心を尊重する学びを行う通信制高校の存在が目立ちはじめ、通信制高校の教育も充実してきています。


出典:文部科学省 「参考資料2 高等学校通信教育の現状について」

こちらは通信制課程の年度間退学者数と全体の生徒数に占める割合を表したグラフになっています。図1の通り、通信制高校の生徒数は急増していますが、図2をみると通信制課程の年度間退学者数は微増してはいるもののほぼ横ばいで、全体の生徒数に占める退学者数の割合は低い値を保っており、低下傾向にあります。このことからも、生徒の個性を尊重した学び、生徒一人一人の興味関心を尊重した学びを展開し、教育の質、学校におけるサービスの質を充実させているということが考えられます。

図1、図2や通信制高校業界の動きを踏まえると、今後の通信制高校の生徒数はさらに伸びていくことが予想され、今以上に各通信制高校の教育内容も充実していきます。現在、VR等のITテクノロジーを使った最先端の教育、芸能事務所と提携し、芸能界を目指すことができる教育、漫画・ゲーム・アニメ・イラスト等自分の好きなことを追究できる教育など、生徒一人一人合った学びが展開されていますが、今後はさらにこの動きが激しくなることが考えられます。各通信制高校は生徒募集において、他校との差別化を意識し、より強く自校の特色を打ち出す必要があるでしょう。

 

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