広島国際学院大学、保健医療経営大学の学生募集停止について

2019.06.18
 
先日、広島国際学院大学(広島)、保健医療経営大学(福岡)が2020年度から学生募集を停止すると発表。
それぞれの大学について財務の観点で考察を行います。
 
■広島国際学院大学(学校法人広島国際学院)
広島国際学院大学(学校法人広島国際学院)が2023年3月で閉校。
他設置校である広島国際学院中・高は存続、短期大学部は専門学校化を検討。
 
広島国際学院大学は工学部・情報文化学部を有しており、
2018年5月現在、全学生数691名、収容定員数1,140名、収容定員充足率60.6%と募集低調に推移
 
2019年3月期決算において、運用財産10,530百万円(うち現金・預金5,980百万円)、
長短期借入金6,523百万円、ネットキャッシュ4,007百万円。教育活動収支差額▲399百万円、経常収支差額▲417百万円。
 
ネットキャッシュの残高および募集停止による更なる赤字幅拡大を勘案すると、大学募集停止は賢明な判断。
募集停止の判断がこれ以上遅れると在校生を卒業させる体力すらなくなる可能性が高い状況である。
 
■保健医療経営大学(学校法人ありあけ国際学園)
保健医療経営大学(学校法人ありあけ国際学園)は2023年3月で閉校。
 
保健医療経営大学は保健医療経営学部を有しており、
2018年5月現在、全学生数147名、収容定員数320名、収容定員充足率45.9%と募集低調に推移。  
 
2019年3月期決算において、
運用財産245百万円(うち現金・預金245百万円)
長期借入金1,350百万円、ネットキャッシュ▲1,105百万円。
 
単年度収支は、
教育活動収支差額27百万円、
経常収支差額15百万円 (簡易CF95百万円)と黒字を確保しているものの、
恒常的な一般寄付金(2019年3月期300百万円)がなければ大幅な赤字。
 
また、借入金返済を猶予しており資金繰り逼迫している様子。
募集停止による単年度収支の悪化をどう吸収するのか、
基本財産の処分ができなければ長期借入金の返済もできない状況。閉校に向けた対応策の検討が求められる。

 

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