新規開校した通信制高校のコース・プログラムの分野と傾向について

2022.01.19

皆様、いつも本コラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回のコラムでは、
「新規開校した通信制高校のコース・プログラムの分野と傾向」についてお伝えさせていただきます。

皆様もご存知の通り、近年多くの通信制高校・サポート校が新たに開校されています。
明らかに、世間の通信制高校への見方が変わりつつあり、さらに市場の成長が予想されます。
弊社にも通信制高校についてのお問い合わせが増えてきており、
通信制高校業界の市場の変化を肌で感じているところでございます。

そのような市場環境にある中で、お客様から弊社にお問い合わせいただく際に、
「どのような通信制高校を作ればよいか？」
「どのような通信制高校を作るべきか？」
というお声をよくお聞きするようになりました。
教育業界において、「通信制高校」というホットなキーワードをよく耳にするものの、
今まで馴染みがなかったために、
まだ詳しく調査・検討までできていないという経営者様・広報担当者様も多いのではないでしょうか。

皆様も感じていらっしゃる通り、時代の変化が早く、激しくなっています。
さらに、少子化が進む厳しい時代の中で、次の一手をいかに早く、
的確にうてるかは非常に重要な課題になります。
通信制高校業界に法人様、企業様が次々と参入し、競争が激化しているため、
スピード感を持って次の一手を打たなければいけないと考えていらっしゃる
経営者様・広報担当者様もたくさんいらっしゃることかと思います。

そこで、弊社では現在、通信制高校業界がどのような状況にあるのかを調査・分析しました。
以下は、2020年～2022年の3か年で新規開校した
通信制高校のコース・プログラムの分野を四象限でマッピングした図になります。
まず図１をご覧ください。
【図１】

プログラム分野のマッピング表

※１：2020年～2022年の新規開校した通信制高校のコース・プログラムの分野をもとに弊社作成。
※２：データサイエンティストやプログラミングは大学や専門学校等では資格取得を目指す場合もあるが、通信制高校では在学中に資格取得にコミットするレベル感で取り組んでいる通信制高校は「調理・製菓」「美容」等と比較するとあまり見られないため、上記の図においては資格取得の傾向が弱い方に分類している。

縦軸は卒業後の出口（進路）として、
上に大学進学（一部起業）、下に就職という軸をとり、
横軸はその分野において資格取得の傾向が強いか弱いか、という軸でとりました。
様々な分野のコース・プログラムが満遍なく実施されていることがわかりますが、
よく見ると従来の通信制高校にあまり見られなかったコース・プログラムが登場し、
一定のポジションを確保していることがわかります。
詳細を以下にご説明しますので、図２をご覧ください。
【図２】

プログラム分野のマッピング表

以前は資格に紐づいた資格取得の傾向が強い分野のコース・プログラムが多く見られました。
特に、語学系、調理・製菓系、美容系などが多く見られ、
専門学校と連携している通信制高校も多く、
「資格と紐づいているか」は募集力に大きく影響し、
手に職をつけるということも重要視されてきました。
しかし、時代は大きく変化し始めました。
一人一人の個性を大切にし、以前よりも多様性を認める風潮へと変化するとともに、
IT、デジタル分野が発達したことで、以前はなかった職業が生まれ、
YouTube、SNSで仕事ができる時代へと変化しました。
そういった時代の大きな転換によって、
「資格に紐づかない分野」にも一定のマーケットが生まれ、
そこに参入する学校が増加しています。
逆に図１の右側に分類されている新たなマーケットの部分でも市場の成長と共に資格がさらに整備され、
通信制高校でも資格と紐づくような時代が来るかもしれません。

今後、通信制高校業界への参入を検討されている経営者様・広報担当者様は上記の図の中でどの分野に切り込むかは、
事業の成否を分ける非常に重要なポイントとなります。
通信制高校の場合、コースやカリキュラムの自由度が高い分、
他校と差別化を図るための商品力と商品ラインナップが募集に影響する度合も大きくなると考えられます。
通信制高校業界への参入を検討されている学校様はどの分野に参入すべきかしっかりと調査・検討の上、
何を自校の強みにし、どの分野に切り込むかを決めていただければと思います。

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