濱名学院と神戸山手学園の合併

2019.03.29
関西国際大学を運営する学校法人濱名学院と、神戸山手大学を運営する 学校法人神戸山手学園 が2020年4月の合併を発表。
学部譲渡の第一号案件として期待が集まる。
 
報道によると、経緯は学校法人神戸山手学園が運営する神戸山手女子中高の支援要請を学校法人濱名学院に実施したことが始まり。
神戸山手女子中高は、2014年から神戸山手女子中高教育経営改革推進会議で経営改善に努めていたようだが、
自力での再建は難しかったのだろう。
 
文科省主導で法人合併のグランドデザインが描かれた模様。
ここで、大学については新制度の学部譲渡の利用が進められたようだ。
 
2つの大学の概要は以下のとおり。
 
■関西国際大学
 
保有学部および収容定員充足率は、
 
 人間科学部(人間心理、経営)840/940→89.4%
 教育学部(教育福祉、英語コミュニケーション)799/800→99.9%
 保健医療学部(看護)363/320→113.4%
 留学生別科 12/30→40%
 
と比較的順調に推移。
決算内容において、事業活動収支計算書は、
 
 経常収支差額▲27百万円
 基本金組入前当年度収支差額▲66百万円   →減価償却費非公開のためCF不明
 
貸借対照表は
 
 現金預金1,648百万円
 特定資産1,406百万円
 有価証券649百万円
 前受金614百万円     →換金性が高い資産3,089百万円
 長期借入金659百万円   →ネットキャッシュ2,430百万円
 
と単年度赤字、内部留保も決して潤沢とはいえない状況。
 
 
■神戸山手大学
保有学部および収容定員充足率は、
 
 現代社会学部(総合社会、観光文化、環境文化、都市交流)539/910→59.2%
 
と大幅な定員割れ。
決算内容において、事業活動収支計算書は、
 
 経常収支差額▲486百万円
 基本金組入前当年度収支差額▲469百万円   →減価償却費非公開のためCF不明
 
貸借対照表は
 
 現金預金非公開(流動資産1,181百万円)
 特定資産0百万円
 前受金614百万円
 固定負債+流動負債1,072百万円
 
と単年度大幅赤字、内部留保も枯渇しており危機的な状況。
今回は、同エリア、学部補完による救済合併の色合いが強い。
合併後のそれぞれの学部のシナジーはどの程度あるのか、学校法人濱名学院の財務基盤も磐石とはいえない。
 
今後の再建に期待したい。
 
船井総合研究所
栗山茂之
 

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