【コロナ前まで回復するのは5年後!?】入国制限緩和後の留学生最新状況と今後の見通し

2022.07.04

【学校経営】留学生時流レポート

皆様、いつも本コラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
以前のコラムでは、
3月1日より緩和された留学生向けの水際対策に関する最新情報や入国に伴う諸課題を整理した上で、
入国制限緩和に向けて考えなければならないポイントをお伝えしました。
今回のコラムでは、
留学生の入国制限が解除され4か月が経った現在、
日本語学校現場の声を踏まえ、留学生の最新状況をご紹介します。
また、現状を見据えた留学生数回復の見通しをお伝えさせていただきます。

大混乱の学校現場

ご存知のように、2022年3月1日より、
「3月1日から外国人留学生等の新規入国を一定の要件のもと、認める」との緩和措置が実施され、
世界各国からの留学生が順次に入国してきています。
3月10日、文部科学省の担当者が関係団体向けにオンライン説明会を通して、
入国制限解除後の留学生数の見通しについて説明がありました。文部科学省の担当者は、
「在留資格認定証明書(COE)を持っていて早期に入国を希望しながら待機している留学生が11万人であり、
2022年4月の新規入学者は7万人ほどいると見込んでおり、
待機留学生と合わせて18万人規模」
であると説明がありました。
入国状況について、ビザの申請や飛行機代の高騰などにより、
本格的な新規入国は4月からとなり、
弊社のお付き合い先である日本語学校・留学生を受け入れている大学の関係者に取材を実施したところ、

5月末の時点で来日予定者の半数以上(全体の5割~6割程度)が入国を既にしているとのことでした。
「待機していた留学生たちは、ようやく入国でき、留学生も学校としても大変嬉しい」という喜ぶ声がある反面、
受付済証の準備、入国・検疫の対応、授業の準備なども対応する必要があり、
「現場は大混乱している」との声もよく聞きます。
また、日本語学校の場合、毎年度の4月~5月は当年度10月入学生の申請時期であり、
4月入学生の対応と10月入学生の募集が重なっていることから、
現場の教職員の負担がかなり大きいと言えます。

5年後にコロナ前の留学生数水準までの回復を目指す

留学生数の回復の見通しは学校関係者の皆様が最も関心を持つ課題の1つではないでしょうか。
6月22日に開かれた中央教育審議会大学分科会では
「5年後(2027年)を目途に激減した外国人留学生・日本人学生の留学を
少なくともコロナ禍前水準(弊社注:30万人程度)に回復」という方向性が挙げられました。

また、2022年の留学生数は、
2022年3月までの入国制限の影響により、
2021年度よりさらに減少すると推定されます(毎年5月1日の数値を集計する場合)。
また、2023年は2022年の入国ブームにより、留学生数の回復が一時的に加速し、
その後に徐々に回復していき、2027年にコロナ前の水準に戻ることが予想されます。

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※毎年5月1日の留学生数値
※2022年~2027年の留学生数見通しは文部科学省の公開資料より推定して作成
出典:日本学生支援機構、文部科学省の公開資料より弊社作成

今後の留学生確保するための施策

「高等教育を軸としたグローバル政策の方向性(案)」(文部科学省 2022年6月)では留学生数を回復させるため、
戦略的な外国人留学生の確保について、7つの取組を取り上げております。要点を以下にまとめます。

====================================
・重点分野・重点地域の再設定
・留学海外拠点、対外広報機関と連携した外国人に対する情報発信の強化
・外国人留学生の就職・起業支援の強化
・地域における外国人留学生の就職支援の強化
・知日派人材育成のための留学生経験者ネットワークの強化・活性化
・我が国における日本語教育の質向上
・高等学校段階における留学生の受入れ
====================================
出典:文部科学省・「高等教育を軸としたグローバル政策の方向性(案)」より

留学生を受け入れている、また今後受け入れることを視野に入られている学校経営者の皆様にとって、
特に注目すべきするのは最初の2点です。
まず、平成25年に政府が「世界の成長を取り込むための外国人留学生の受入れ戦略」を策定しました。
その戦略案にて、「重点地域」(東南アジア、ロシアおよびCIS諸国、アメリカ、中東、南西アジア、
東アジア、南米、米国、中東欧)に対する対応方針を発表しました。
今後、国際情勢などの変化により、留学生受け入れる重点地域や対応方針が見直される可能性が高いです。
それは、今後どの国の留学生を募集するかを判断する基準の1つとして重要だと考えられています。
2022年以降の重点地域について弊社の知見をお伝えしますと、
留学生が最も多い東アジアからの留学生を引き続き受け入れるとともに、下記の地域に注目する必要があります。

<東南アジア>
近年留学生数の増加が著しいベトナムをはじめ、インドネシアなど日本の大学等を高く評価して政府派遣により
積極的に学生を日本に送り出している国々が注目されています。
<南西アジア>
近年発展の著しいインドをはじめとした南西アジアからの留学生受入れも積極的に推進する必要があります。
一方、コロナ禍の影響により、欧州・北米・大洋州からの留学生は激減しており、
進学・就労より文化体験が主要な留学目的であるというのは理由として考えられます。
さらに、2022年2月より爆発したロシアウクライナ戦争により、
ロシアへの外交姿勢は留学生の受入れにネガティブな影響を与える可能性が高いです。
その反面、人道主義支援の目的としたウクライナ人留学生の受入れが増加していくと見込まれています。

また、コロナ禍の2年間という長期間の入国制限により、
日本のイメージと評判は損なわれた部分があると指摘されました。
もともと日本に留学をする予定であったのアジア出身の留学生は韓国・オーストラリアなど
の留学先に変更したケースが多くあります。
したがって、今後日本の学校法人が留学生を誘致する場合、
留学生への情報発信はコロナ前より一層重要となります。
オンライン広報を中心に、各国のインターネット事情を把握し、
重点的に広報活動を行うことが重要となっています。
ここでは、留学生数が多い地域の中国・東南アジアを中心に海外のSNS事情をご紹介します。

<東南アジア:Facebook、Youtubeなど>
世界のFacebookユーザー約27億人に対して、東南アジアは3.7億人、
約14%を東南アジアユーザーが占めています。
インドネシアやベトナム、ミャンマー、タイ、フィリピンなどの東南アジアでは、
インターネットユーザーの90%以上がFacebookを利用し、日本の15%よりはるかに比率が高いです。
そして、YouTubeも東南アジアでは高い人気があり、
インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイなどでは、
若者から中高年層までYouTubeが利用されています。

<中国:Wechat、Weibo、TikTokなど>
中国では、上記のSNSではなく、中華系独自のSNSが利用されています。
そのなか、微信(Wechat)、微博(Weibo)、TikTokをはじめとするSNSは若者における利用率が極めて高いです。

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