専門学校の市場動向は?

2026.03.05

専門学校の市場動向は、18歳人口の減少や大学全入時代を背景に縮小傾向(成熟期〜衰退期)にあります。また、人手不足による企業の高校生採用強化も逆風となっています。

その結果、市場からの撤退や再編が進む一方で、独自の強みを持つ学校に人気が集中する「二極化」が鮮明になっているのが現状です。

1.18歳人口の減少と「大学全入時代」による市場縮小

現在の専門学校市場を語る上で避けて通れないのが、構造的なターゲット層の減少です。直近でも18歳人口の減少は続いていますが、今後の予測ではさらに減少率が加速していく見込みです。

それに拍車をかけるのが「大学志向の高まり」と「大学全入時代」の到来です。近年の大学進学率は60%を超えて過去最高を記録しており、かつてであれば専門学校を選んでいた層や、大学不合格からの流入層が減少しています。

一部の難関大学を除き、中堅以下の大学へも進学が容易になったことで、高校生に「大学に行けるけれども、あえて専門学校に進学したい」と思わせる明確な理由付けが必須の時代となっています。

2.企業の「高卒採用強化」という新たな競合の出現

大学への進学層への流出だけでなく、就職市場の動向も専門学校にとって逆風となっています。現在の求人倍率はバブル期を超える水準にあり、圧倒的な「売り手市場」が続いています。

深刻な人手不足を背景に、企業側も高校生の新卒採用に本腰を入れており、初任給の引き上げや待遇改善を行っています。

その結果、特定の職種や学科系統においては、専門学校で数年間学んでから就職するのではなく、「すぐに直接就職する」という選択をする高校生が増加しており、企業と専門学校との間で人材獲得競争が発生しているのが現状です。

3.学校経営の「二極化」と再編(M&A)の加速

市場全体が「成熟期」から「衰退期」へと移行する中、専門学校の経営状況は明確に二極化しています。

前例踏襲の募集を続け、強みを打ち出せない学校が定員割れや市場からの撤退を余儀なくされる一方で、デジタル広報の強化や、教育品質の磨き込みによるブランド化に成功している学校は、厳しい環境下でも志願者数を昨対比で大きく伸ばしています。

また、学校法人全体のトレンドとして、縮小マインドを背景にしたハード投資の抑制や、資本力のある民間企業(異業種や外国資本)の参入、そして学校法人のM&Aが増加しており、業界再編の動きが活発化しています。

4.生き残りに向けた新たなターゲット戦略

このような市場動向の中で生き残るためには、ターゲット層の拡大と新たな市場の開拓が求められます。高校3年生からの募集だけでなく、中学生や高校1・2年生の早期段階から職業の魅力を啓蒙し、見込み客を育成する「ナーチャリング型広報」への転換が有効です。

また、従来の18歳人口だけでなく、キャリアアップやキャリアチェンジを目指す「社会人・既卒者・大学中退者」などの市場を取り込むアプローチも、今後の安定経営に向けた重要な一手となります。

【船井総研の提言】

専門学校市場は縮小と競争激化が避けられない環境であり、従来通りの手法では安定的な学生確保は困難です。この逆境を乗り越えるためには、自校の現状を客観的に見極め、強みとなる「商品力(教育・就職実績)」を徹底的に磨き上げることが不可欠です。

経営トップが主導して学校の方向性を明確に定め、的確なマーケティング戦略と組織活性化の両輪を回すことで、次世代に生き残る地域一番校を目指しましょう。

専門学校業界向け 時流予測レポート2026 (今後の展望・業界動向・トレンド)|船井総合研究所

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